2014年7月7日月曜日

Field testing GPS map software YAMAP for android

2014/07/06 GPS地図アプリ YAMAP(android版) フィールドテスト レビュー
Unfortunately this text is in Japanese only.
スマホに自立測位(携帯の電波に依らず衛星の電波で位置特定)可能になってから、登山用などに使用できそうなGPS地図アプリがたくさんリリースされているのは歓迎すべき事です。
各アプリに特徴がありますが、もはやGPS専用機は必要ないと思っている人もいるしれません。
ワタシの場合はそうは思いませんが(理由は後述)

他にも秀逸なアプリがあり、既にGPS専用機とフィールドで比較したりしてるのに、このアプリを試したのは少し理由がある。リリースしているのが福岡の企業でまた、アプリ開発の発注先が福岡のベンダーである事などチョッぴり興味が引かれたので。

以下、独断と偏見でレビューしてみました。

      全システムの構成について      
他のアプリと決定的に異なるのは自前のSNSと自動連携している事でしょう。他のアプリはアプリ自身が単独で機能するものがほとんどですが、YAMAPはWEBシステムと密に連携しています。
既出のシステムでいうと [ヤマレコ][ヤマメモ] の関係に類似してる。

簡単に言うと、一般的なアプリ自身は以下の構成になっている。
  • スマホのGPS測位機能から位置情報を取り出す。
  • 地図を表示し現在地を示す。
  • 位置情報を時刻と共に記憶したデータ(トラックデータ)を保持する。
  • トラックデータをリアルタイムで解析して移動速度や目的地到着の予想時刻などを表示する。
  • スマホのコンパス機能を使用して地図を回転させたり方位を示したりする。
まぁ、他にも盛りだくさんの機能があるのだが基本は上記の応用でしょう。

だが、YAMAPは「活動記録」つまりトラックデータの収集を終了とした時点でネット経由でYAMAPのサーバにトラックデータを自動送信し個人の山行記録として登録する。公開/非公開は選択可。
まぁ、ハイブリッド地図の意味が分かりませんが。。。
2014/07/07 追記 YAMAP運営者 春山様よりご丁寧な回答いただきました。
【ハイブリッド地図】
YAMAPで言う「ハイブリッド地図」とは「スマホでも紙でも使える地図」を差します。
スマホで使えるだけでなく、PCからYAMAPの地図をダウンロードして、自宅のプリンターなどで印刷して携行が可能、という意味で「ハイブリット地図」と名付けております。
登山・アウトドアは自然が舞台のアクティビティになるので、どんなにスマホ(GPS・デジタルデバイス)が発達しても、紙の地図は必須だという考えから、紙の地図として印刷できる機能を実装しました。





      スクリーンショット      
 
□ 地図を取得

都市部を除き山岳部を区画されたエリア毎に選択できます。
バルーン(風船)マークをタップして選択します。
未取得は赤、取得済みは緑色で表示される様です。

□ 活動を記録

取得したエリアのバルーンをタップすると、その上部にエリア名が表示されるのは地図取得時と同じです。
地図取得時、活動記録時も表示されたエリア名(この例では[福智山、皿倉山、尺岳、香春岳]の表示個所)をタップする事で次の過程に進めます。分かってしまえば良くできたUIですが、直感的には分かりにくかった。

選択した地図が表示されます。選択した地図エリア内をスクロールして閲覧できます。

国土地理院の1/50,000の地図をベースに登山道は点線ではなく赤い実線で、区間コースタイム、水場、トイレなどのマークが追加されています。
予想ですが等高線の色調もオリジナルから変更が加えられて濃くしてある様な印象です。

「1/50,000の登山地図」相当?

縮小して広範囲に。
※ディテールが失われないようにスクリーンショットのオリジナルサイズ画像のため容量が大きいです。

レイヤーを持たず、地図画像そのものに区間コースタイム等の付加情報を載せているため、文字が欠落して読めなくなったりしている個所があります。「白糸の滝」など。


スタート後はオレンジの が自分の位置を表示してくれます。
終了を押せば記録を終了してトラックデータがサーバーに自動的にアップロードされます。この際、この記録の公開/非公開が選択できます。
この画面からそのまま写真を撮る事もできます。
写真のアプリを起動しているだけなので、いつもの操作で写真を撮れば良く、撮り終わったらこの画面に戻ります。












      使用してみて       

10年、いや5年前にこのアプリが有ったら使用していたかもしれません。
個人的には、1/25,000以下の縮尺で表示できない時点でアウトです。
2014/07/07 追記 YAMAP運営者 春山様よりご丁寧な回答いただきました。
【地図の縮尺】
国土地理院発行の25,000分の1と50,000分の1を使用しております。
地図の大半は25,000分の1ですが、ご使用になった福智山地図は、50,000分の1になります。
縮尺は、地図取得時の詳細画面に明記しております。
YAMAPはアプリケーションになりますので、足りない点や不具合があれば、適時改善して育てて参ります。
お試し期間を設けておりますので、次回はぜひプレミアム地図(カラー地図)でお試しください ^^
 
このアプリの最も評価できる点は、アプリ導入後に簡単に地図データを取得できて即使用可能になる事です。次に、予想されるコンセプトが山行データ(トラックデータ)を公開して他の人が参考にできる仕組みを重視して簡単にしている事です。とにかくスマホとかGPSとか電子ディバイスが得意でない機械オンチの人でも使える様に意識している様です。最小限の機能に絞っているのも理解できます。ただ、プロプライエタリなシステムで閉じてしまっているためヤマレコの様な他の類似システムと情報が分散してコンテンツ(この場合は山行記録)が希薄になってしまうのではと思います。

また、「高機能・多機能=初心者には使い辛い」という方程式は成り立ちません。
紙地図と画面のイメージが同じ事を「ハイブリッド地図」と呼んで同一視しているのなら本質を見誤っていると思います。紙地図の最も優れた点である「一覧性」は現在の電子ディバイスには欠如しています。だからこそ電子地図は紙地図ではできない事を補完すべきと思いますが。
例えば水場やトイレ、区間コースタイムといったノードデータは別レイヤーとして扱い、表示/非表示が選択できる様にする事など。地図が格段に見易くなり必要に応じて情報を表示する事は現在の紙地図では実現できません。


      GPS専用機を手放せない理由       
  • 堅牢性。ワタシのスマホの1台は防塵防滴仕様ですが、軽く踏んだらパキッと折れてしまうでしょうね。GARMIN製GPSも防水といえIPX7ですから強烈な水圧のかかる沢には使用上適合していませんが、そんな環境でばかり使用しても全く問題ない程信頼性があります。
  • 同じ液晶画面でもスマホは静電式、GARMIN製GPSは感圧式です。通常は静電式の方が優れていますが欠点は手袋をしたまま操作できません。手袋を外したら命とりの厳しい冬山では静電対応手袋を一番下に使用して厚手の手袋を外して操作するしかありません。 
つまり味方を変えれば、防水スマホか防水ケースに入れていれば、縦走中やガスで同定物が見えない時の道迷い防止、コンディションの悪くないオフビステスキーや冬山の位置確認など紙地図と併用すればGPS専用機でなくとも絶大な効果があるということです。

Web側は登録制なのでスクリーンショットを載せておきます。
1回目のフィールドテストはこの辺で。。。
次回があるとすればGPXの取得間隔や地図データのディレクトリ構造など。



2 件のコメント:

  1. yamap社自体はどのようにして利益をあげているのですか?

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    1. 匿名 様 こんばんは。

      ワタシはYAMAPの1ユーザーで関係者ではありませんので何とも。。。

      YAMAPアプリ関連に限っては、アプリと無料地図は無料ですが、国土地理院ベースにカラーの標高陰影付き地図を「プレミアム会員」に登録すれば月額300円強で使用できるのが利益にはなるかと。
      1万人位有料ユーザーを獲得できれば月額300万円ということですね。ちょっと下世話な計算しちゃいましたが(^_^;

      YAMAP制作運営会社は「株式会社 セフリ」という所みたいですよ♪
      以下で会社概要が見れます。

      https://yamap.co.jp/page/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%A6%82%E8%A6%81%E3%83%BB%E3%81%8A%E5%95%8F%E3%81%84%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B

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